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平成30年度の介護報酬改定を解説|介護職員にはどんな影響が?


3年に1度の介護報酬改定が、2年後の平成30年度(2018年度)に予定されています。また、介護職の処遇改善に関わる改定が、来年の2017年度に前倒しされるというニュースも出ています。

実は介護報酬ってまだよくわからない…という方にも、次回の介護報酬改定に向けて、現在どんな議論が進んでいるのか基本をまとめました。

介護報酬改定って?そもそも介護報酬とは?

介護報酬とは、介護事業者や施設が、利用者にサービスなどを提供した場合、その対価として事業者に支払われる報酬のことを指します。「介護サービスの値段」とも言い換えられます。
現在では介護保険制度により、介護報酬の1割は原則利用者の負担で、9割は保険料と公費で賄う介護保険から支払われています。

原則”3年に1度”の見直しが行われ、在宅サービス12種、施設サービス3種、その他1種(ケアプラン作成)の計16種について、それぞれ報酬単位が改定されます。
前回の介護報酬改定は平成27年度(2015年度)に実施されており、その3年後にあたる平成30年度(2018年度)に次回の介護報酬改定が行われる予定です。現在その改定に向けて、社会保障審議会にて議論が進められています。

平成30年度の介護報酬改定で何が変わるのか?

過去の改定と変わらず「施設から在宅へ」の大きな流れに変化はありません。2025年にあるべき姿、”地域包括ケアシステム”をゴールと設定し、社会保障費、人員体制など現在とのギャップを把握し埋めることを目指しています。

ゴール達成のために、各事業所などがメリットを感じ、サービス内容や人員体制を変化させていけるよう、各サービスの報酬単位が改定されるとみられています。
また、介護人材の確保のため、介護職員の処遇改善が検討されています。

介護職員の処遇改善|改定を一部前倒しの特例措置

安倍政権が掲げる「ニッポン一億総活躍プラン」に基づき、平成29年度から介護職の平均賃金を月額1万円程度アップさせることを狙い、本来、定例の3年に1度の改定は平成30年度の予定ですが、介護職の処遇改善に限っては、平成29年度に前倒しすることを厚生労働省が検討しています。

今後、少子高齢化がますます進み、介護職員の人材不足問題は深刻化していきます。さらに、現在介護職員の平均給与は全産業平均より10万円ほど低いという調査結果も出ています。
そこで、政府は介護報酬改定の中で介護職員の賃金アップにつながる「処遇改善加算」について、手厚くする方向で検討しています。

介護保険も同時に見直しが進んでいる

介護報酬改定とともに、厚生労働省は介護保険制度の見直しも行っています。膨らみ続ける社会保障費を抑えるために、介護保険制度で「要介護1、2」と認定された軽度者向けサービスを大幅に見直す方針が明らかになっています。

この見直しで、年間約1100億円が抑えられる一方で、約30万人の利用者さんに影響がでる可能性があると言われています。
具体的には、買い物や調理のような生活援助サービスが、保険の給付対象から外れると見られており、現在利用されている方からは「今まで通りの生活が送れなくなる」など不安の声が上がっています。

介護報酬改定は訪問介護に変革を迫る

政府は介護報酬改定で、訪問介護事業所など個々の関係者が提供サービスの見直しや採用活動の見直しを行い、体制を変化させていくことで、理想の社会「地域包括ケアシステム」を実現させようと議論を進めています。

訪問介護に携わる方には、自分の働き方や提供するサービスやに影響が出る可能性があります。
今後の政府の議論、動向に注目しておく必要がありそうです。


【参照URL】

厚生労働省 介護報酬について
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/housyu/housyu.html

厚生労働省 平成27年度介護報酬改定の骨子
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000081007.pdf

厚生労働省 社会保障審議会 (介護給付費分科会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698

首相官邸 一億総活躍社会の実現
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/

出典:https://cocomedica.jp/kaigo72/



2018年介護報酬改定問題

介護保険制度施行以来、介護報酬の改定が行われてきました。2015年に続き、2018年の改定は、かなりの衝撃を受けることが予想されています。ここでは2018年(平成30年)の介護報酬改定について、解説いたします。

なぜ介護報酬が見直されるのか


介護保険制度は、厚生省(現厚生労働省)の担当者自身が「走りながら考える」と言ったほど、見切り発車で施行されました。6年ごとに改定することを原則とし、今日まで下記のような改正が行われてきました。

・2006年:予防・地域密着型という概念を提唱
・2012年:地域包括ケアという概念を提唱

原則によると、2012年の次は2018年になるはずですが、2015年に異例の改正を行っています。この改正により、介護報酬の改正、高額所得者の自己負担2割の実施、特別養護老人ホームの長期入所対象者の変更などの大ナタが振られました。この影響は大きく、2015年には、制度施行以来過去最多の76件の介護事業所が倒産しました。

2018年(平成30年)介護報酬改定のポイント


2015年の改正は、さらなる大ナタを振るうための布石であると言われています。少子高齢化による社会保障費の抑制が狙いであり、施設から在宅へ移行を推進するという、これまでの流れを踏襲しながら、下記の内容が追加されています。

(1)新しい地域支援事業が全国において完全スタート

2015年4月の改正により、要支援の予防訪問介護と予防通所介護サービスは、介護保険から市町村の地域支援事業へと移行していますが、2018年より対象が要支援~要介護2に拡大。全てのサービスが対象となります。「共に支え合う」介護保険の理念が失われるとともに、軽度な要介護者や要支援者を対象としている事業所は、大きな打撃を受けることが予想されます。

(2)居宅介護支援の指定権限が市町村に移行

ケアマネへの市町村権限が大きく拡大する点がポイントです。改編される地域支援事業の運営主体となる新しい地域支援事業において、努力義務とされているケアマネの市町村事業への協力が拡大することが予想されます。

(3)診療報酬との同時改定

今回の改正は、第7次医療計画・第7期介護保険事業(支援)計画・第3期医療費適正化計画がスタートするダブル改正となります。これまで「医療と福祉の連携」と言われてきましたが、今回は一人の人に対し、状態に応じて医療や福祉が切れ間なくサービスを受ける体制づくりを目指し、「医療と福祉の一体」を協調。そのため、診療報酬と介護報酬に何らかの連動があることが予想されます。

2018年(平成30年)の介護報酬改定を予想


2018年の介護報酬改定は、2025年への通過点に過ぎません。日本は2025年に団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、これまで経験したことがない時代を迎えます。生産人口は減少により、医療と介護を中心に社会保障の破綻は目前。そうした状況を鑑みて、介護報酬改定の影響を予想しました。

・介護報酬・医療報酬はダウンする

報酬がアップできる要素が見当たらない。報酬を減らして加算を創設するかも知れないが、どこも人手不足で加算の対象にならず、実質的に減収になる事業所が増加する。

・介護事業所の倒産が増加する

すでに過剰供給気味であるにもかかわらず利用者が限定され、多くの介護事業所が倒産。急速に事業展開している事業所は、資金繰りや職員教育が追い付かず危険性が高い。医療機関も倒産するところが出てくるだろう。

・介護が日本を蝕む

高額でも施設を利用できる人と、低所得により家庭での介護を余儀なく強いられる人に二極化される。介護者は働くことができないたるため、生活保護件数が増加。日本の生産性も低下する。さらに介護殺人も増加。これまで以上の社会問題になります。

2018年(平成30年)の介護報酬改正は、日本が抱える超・超高齢化問題への国家的取り組みの一つであることが理解できたと思います。この荒波を乗り切るためには、事業内容の見直しや、公益事業・収益事業を行うなど、ずば抜けた経営手腕が試されるところです。

■著者■ 
吉田 匡和
フリーライター
福祉業界では20年のキャリアを誇り、福祉系専門学校教職員、老人保健施設相談支援員、特別養護老人ホーム・デイサービスセンター生活相談員、特別養護老人ホーム事務長として勤務。退職後はフリーライターとなり、WEBを中心に活動している。社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターの資格を保有。


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by miyabinahiro | 2017-03-23 13:03 | 介護 | Comments(0)