安保雅博(あぼ・まさひろ)先生


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脳卒中リハビリ治療最前線。

「磁気刺激治療法(TMS治療)」東京慈恵会医科大学付属病院・安保雅博(あぼ・まさひろ)先生。



脳卒中リハビリ治療最前線、2010年(平成22年)3月。

日本人の死因の第3位。

それは、脳卒中。

「脳卒中(のうそっちゅう)」とは、脳梗塞(のうこうそく)を始め、脳に流れ込む血流などが詰まったり、血管が破裂するなどした疾患の総称です。

脳卒中で倒れて助かったとしても、高い確率で手足にマヒが残る可能性が大きい病気です。

その後に待ち受けているのは、辛いリハビリ治療が続く病です。

しかも、リハビリも4ヶ月を過ぎるとそれ以上の回復が見込めなくなるのが、脳卒中で倒れた場合の常識でした。

しかしそんな常識を覆す治療法を考え出した人がいます、

東京慈恵会医科大学付属病院リハビリテーション科の診療部長である安保雅博(あぼ・まさひろ)先生です。

その治療法とは、「磁気刺激治療法」という治療法。


安保雅博先生の思いは、「脳機能障害の改善策に革命をもたらしたい」。

「磁気刺激治療法」とは、「経頭蓋磁気刺激治療(けいとうがいじきしげきほう)」。

英語名、Transcranial magnetic stimulation。通称「TMS治療」と言い。

昨年2009年8月には、TV東京系の「ガイアの夜明け」でも紹介されていました。

「磁気刺激治療法」とは、磁気により脳に刺激を与え、脳機能障害の改善を図ろうという治療法です。

脳は右左で抑制し合いバランスを取りながら活動性を保っているが、片方の脳にダメージがあると損傷した側の脳の活動性が低下。

一方、健常な側の脳は拮抗が外れた状態となり、活動性がより大きくなるため、左右の脳のバランスが崩れてしまう。

それにより、身体の回復が妨げられる。

そこで、健常な側の脳を磁気刺激で抑制し、損傷した側の脳の活動性を回復させ、身体のマヒを改善させようというもの。

そうです、安保先生の磁気刺激治療は、従来の磁気刺激治療方法である経頭蓋磁気刺激治療とは、多少異なるのです。

すなわち、正常な脳の働きを抑えてやり、脳卒中で痛んだ脳に働いてもらうという治療方法なのです。

それは、脳科学の最新の知見に基づいた技術で、現在まで治療を施したほぼ全員に効果が現れているという。

「さらに検証を積み上げなければならないが、この新しい治療法に確信を持っている」と、安保医師は述べる。

現在、安保先生の磁気刺激治療法は、手の指などでしか効果を発揮しません。

足などの麻痺には、効果が無いということです。

それは、足の神経を司る働きをする脳は、脳の奥深くにあるから磁気のパワーでは影響力が届かないのです。

現在、安保先生は、電気を用いて脳の奥深くにまで影響力が届く研究に務めています。

驚くべきことに、安保先生の磁気刺激治療法は、脳卒中の影響で「失語症」に陥った患者さんにも、効果が認められました。

現在、安保先生の磁気刺激治療法には、「健康保険」の適用は、ありません。
しかし、ある程度の負担は、病院側が負ってくれるということです。


「経頭蓋磁気刺激治療(TMS治療)」とは?

<附属病院におけるTMS 治療の適応基準 平成 22 年~>

TMS治療は確かに有効な脳卒中の治療法と思われますが、残念ながら現時点では全ての脳卒中患者さんに効果がみられるわけではありません。

よって、TMS 治療は、 以下の適応基準をすべて満たしている方しか現在適応がありません。

(1))認知機能に問題がない(認知症ではない)。
(2))うつ病でない。
(3))透析をしていない。
(4)頭蓋内に金属(クリップなど)が入っていない、心臓ペースメーカーが入っていない。
(5)少なくとも一年間は痙攣の既往がない(脳波検査で異常がない)。
(6))全身状態が良好である(発熱、栄養障害、重度心疾患、体力低下などがない)。
(7))日常生活が自立している(自ら移動できるなど生活上では介助が要らない)。
(8))脳卒中(脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血)を原因として 上肢麻痺もしくは失語症を呈している。
(9))年齢が 16 歳以上である。


A::上肢麻痺
→手首を曲げないで、指でグーパーができること。少なくとも母指・示指・中指の3指が曲げ
たり伸ばしたりできること

B::失語症
→発語がスムーズではない、言葉がとっさには出てこず言いたいことが言えない、単語を思
い出せない、単純な内容であれば理解できるが複雑な話は聞いても分からないなどの症状がある。
#全く発語がない患者さん、簡単な文も理解できない患者さんは適応外となります。


<TMS治療を希望される方へ>

上記の適応基準をすべて満たしており、附属病院におけるTMS治療を希望される場合には、
以下のごとく手順をふんでいただくこととなります。
(上記の適応基準をひとつでも満たしていない患者さんに対しては、原則的にTMS治療は行いません)。

①現在のかかりつけ医(主治医)の紹介状を持って、東京慈恵会医科大学附属病院
(東京都港区西新橋)リハビリテーション科安保雅博 教授外来(火曜・金曜)を受診してください。

※初診の場合は、予約はできません。

※初診受付は8:00~12:00ごろまでです。

※学会などで外来が休診になることがあります。

お越しになる予定日に外来がやっているかどうかお問い合わせの上ご来院ください。

※外来は大変混雑が予想されます。受診日に必ず診察はいたしますが長時間お待ちいただくことをご了承願います。

②外来診察の結果、TMS治療の適応があると判断された場合、その時点で入院予定リストに登録されることになります。

なお、場合によっては、痙攣の危険性を確認するための脳波検査、刺激部位決定のための機能的MRI検査の予約をしていただく場合があります

(脳波検査、機能的MRIは診察日当日には行えません。脳波検査、機能的MRIの結果によっては、TMS治療の適応がないと判断される場合があります)。

③後日に入院日が決定すれば、担当医から電話で連絡をいたします。

④磁気刺激についての医療費は生じませんが、入院治療を行うにあたり、部屋代、食事代、リハビリ代はご負担いただきます。



2010年(平成22年)3月。



「東京慈恵会医科大学付属病院・安保雅博(あぼ・まさひろ)先生。」より
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by miyabinahiro | 2010-03-14 19:16 | 医療 | Comments(0)

虎なmakoです。